きっとある、いつか分かる、自分の指定席。
大切にしている言葉、気持ちを高める言葉
T a k ashi A m a n o M u s e u mには「言葉の柱」があります。
私が大切にしている言葉、気持ちを高める言葉がたくさん彫られています。
最初、デザイナーさんからプロジェクターで言葉を投影する方法が提案されましたが、私は「その場に存在することが重要」と考えました。するとミュージアムの列柱に文字を彫っていくというアイデアが出てきました。
人工大理石の柱に一文字一文字ていねいに言葉が彫ってあり、柱のなかに入っているライトによって、言葉が浮かび上がります。人工大理石は薄くすると光を透過する性質があるので、裏からライトで浮かび上がらせているのです。
言葉の長さによって、柱のどの高さから言葉をはじめるか、どのように配置するかも工夫されています。
「きっとある、いつか分かる、自分の予約席が」
この言葉に囲まれながら仕事をしていると、自然と心が前向きになります。
私はいちばん大切にしている言葉は「年を重ねる毎に幸福に。実践身近な人から大切に」です。
私はバトンタッチをした後に人生の本番がやってくると思っています。これまでの人生のなかで起きた出来事、楽しかったことも失敗したことも、うまくいったことも、がっかりしたことも、これからはじまる「人生の本番」のための練習なのです。
聖火ランナーとして走るために、ジムでトレーニングを重ねていたのと同じです。
私は「使命という予約席」が誰にでもあると信じます。
言葉の柱には「きっとある、いつか分かる、自分の予約席が」もあります。
人生の中で、ここに座ったら居心地がいいという場所、自分の特性が活かせる場所を、私は「予約席」と呼びます。
「予約席」があると思って生きていると楽しいものです。
いつの日か、「私の席はここだ」と分かる時がくるものです。それがすぐに予約席だとわかるとは限らないのですが、前向きにそう思うことが重要です。
私たちの使命、私たちの意識が花開き、イキイキした気持ち、ワクワクした気持ちでやれるとき、そんな時が必ずくるはずです。