思いを受ける、思いを繋ぐ。
トーチから手へ、全身へ伝わる熱い思い
猛暑の中、聖火ランナーは横一列に並び、順に隣へ点火していくという方法で、聖火をつないでいきます。
自分としては一生懸命に準備をし、「ついにここまできた」という心境でした。何事も準備は大切です。
気温35℃と暑い日ではありますが、晴天に恵まれてよかったとつくづく思いました。
私の前のランナーは、ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長の島田菜穂子さんでした。島田さんは、「乳がんは闘える病、自分で発見できる病です。そのために自分を大切に思う気持ちが大切です」という思いをもっていました。
トーチとトーチを交わし、私のところに聖火がやってきました。私はついにバトンを受け継ぎました。
これが聖火なのか。
トーチの先から私の手へ、そして全身へと熱い思いが伝わってくるのを感じました。
私は心のなかで確かに唱えました。
「思いを受ける」
「思いを繋ぐ」
私が聖火を繋ぐのは飲食店への酒の卸売業を営んでいる、みのりホールディングズ代表取締役社長の高尾勝さんでした。
高尾さんは「売り上げが半分になるような大変な状況にありますが、コロナに負けないぞと吹き飛ばすつもりで参加しました。元の生活に戻れるように頑張りたいと思います」と話していました。
TO K Y O2020の聖火リレーのコンセプトは「Hope Lights Our Way(英語) / 希望の道を、つなごう。(日本語)」です。
47の都道府県をめぐり全国の1万人の聖火ランナーが繋がれてきました。
夢や希望、未来への勇気、平和への願い、さまざまな思いを込めて聖火がリレーされてきました。
この日のセレモニーには台東、文京、千代田、中央の4区のランナー約130人が参加しました。この日だけで130人の思いが繋がれたことになります。
最後に、聖火皿へ炎を移した銀座生まれの俳優・泉ピン子さんは「開催には賛否両論ありますが、新型コロナウイルスの感染者が減り、五輪が盛り上がるよう祈っています」と語りました。
私にとって歴史的な1日になりました。
「思いを受ける」「思いを繋ぐ」という聖火リレーは、私の人生とシンクロしていると感じました。