すばらしいバトンタッチ。
父親の「思い」をどうするか
ある地主さんが、子供たちが遊べる森を所有していました。その森は駅のそばにあり、公園10個ほどの広さがあり、いつも子供たちの笑い声が響いていました。
地主さんは、「私が死んだ後も、子供のための森を維持してほしい」と言っていました。
2人の娘さんは「父の願いをかなえたい。森を残すにはどうしたらいいか提案してください」と言いました。
通常ではこの財産には相続税がかかります。売却して相続税を払ってもお金はたくさん残るでしょう。ですが、売ってしまったら森は分譲マンションなどになってしまうでしょう。
それでは地主さんの思いを繋ぐことはできません。
娘さんたちは父親の生き方、生き樣をずっと見ていたから「思い」が自分のなかに残っていて理念に賛同していたのでしょう。
相続とは相(すがた)を続けること
私たちはいろいろ考えました。
そこでこの土地を、緑を保全する財団に寄付することを提案しました。
いまでもその森では子供たちが遊んでいます。
故人の相(すがた)が続いていく瞬間です。相続とは相(すがた)を続けることの略だということを教えていただいた思い出深いお手伝いでした。